22日のWBA世界ミドル級タイトル戦で新王者となった村田諒太(31=帝拳)が23日、都内の帝拳ジムで一夜明け会見を行った。5月に王座決定戦で敗れたアッサン・エンダム(フランス)を棄権による7回終了TKOに追い込んだ試合後も、支援者へのあいさつ回りや、早朝からのテレビ番組出演などがあり、睡眠時間はわずか。さすがにまぶたが重そうだったが、「昨日は夢落ちじゃなきゃ良いなと思っていた。いまやっとこうやって皆さんが前にいて、夢じゃないんだなと。でも、そろそろ寝たいです」と笑いを誘った。

 試合中にも笑う場面があったが、その心理を問われると、「因果が難しいですね」と言いながら、説明した。「1つはプレッシャーを相手にかけること。あとは純粋に楽しかったんでしょうね」。一撃で試合が終わるミドル級、世界の一流と渡り合う感情には、楽しさが多くを占めていたという。試合前にはあった恐怖心はリングに上がったときには消えていたと振り返るが、大一番を楽しめる強心臓も強さの一端だろう。

 家族とはまだ電話でしか会話をしていないが、娘からは「パパは明日は保育園に迎えにくるの?」と聞かれたという。「僕の初の仕事ですね」と会見後を終えた夕方には、世界王者になった父として、長女佳織ちゃんに会いに行く。