正月恒例、新日本プロレスの1月4日の東京ドーム大会が3日後に迫る。過去最大規模の観客動員を見込む日本プロレス界最大の興行で、メインカードに組まれるのはIWGPヘビー級選手権。30歳になり立ての王者オカダ・カズチカに、制御不能ユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)」を率いる内藤哲也(35)が挑む。実力のオカダ対人気の内藤。若手時代から因縁渦巻く2人の1つのクライマックスが近づくなか、それぞれの心境を直撃した。
「僕はIWGP(ヘビー級)がほしいわけではない。ドームのメインに立ってみたい、それにはIWGPに絡まないといけない。だから挑戦するわけで。一番の目的はベルトではなくドームのメインですね」。
内藤は、オカダが腰に巻くベルトではなく、東京ドームのメインカードという事象そのものへ照準を合わせている。それだけの価値を生む理由は、15歳の誓いにある。父親の影響で記憶がない時期からプロレス漬けだった少年が、思春期に立てた3つの目標。
「新日本のレスラーになること」。これはかなえた。「武藤(敬司)さんと同じように20代でIWGPヘビー級のベルトを巻くこと」。惜しくも20代は逃したが、一昨年の初戴冠で折り合いをつけた。最後の3つ目が「東京ドームのメインで戦うこと」。10代の時にファンとして生観戦したそのセットの豪華さ、花道を歩くレスラーが数万人の視線をくぎ付けにする姿。目の当たりにしたあこがれが、いま目前に迫る。
いま、「ヘビー級の価値を内藤哲也という存在は超えている」と言ってはばからない。15年に遠征したメキシコでユニット「ロス・インゴベルナブレス」に加入し、帰国後は歯に衣(きぬ)着せぬ言動などで話題の中心に躍り出た。ファンの違和感を代弁するように、体制批判もいとわない姿に、心をつかまれたファンが急増した。ベルトがあるかないかは、もはや関係ない存在。だからこそ「超えている」とためらいはない。
ただ、現保持者には浅からぬ縁はある。オカダが新日本に入門した07年、寮では同部屋、そしてそのプレデビュー戦の相手も務めた。「これから何年、何十年と競っていく相手。すごい楽しみな相手だなと、今日思いました」。11年前の試合後の予感が、いままさに現実になる。過去の対戦成績は4勝4敗。12年3月のオカダの初防衛戦では、直前2月にエース棚橋を撃破した勢い、実力への疑問が渦巻く会場で、内藤は敗れた。「(ファンが)半信半疑だったものを確実にさせてしまった」と振り返る。だからこそ、メインで戦う相手として不足はない。いま驚異的な人気を背に、夢の舞台で雪辱を果たす。

