ボクシングの2017年度年間表彰式が9日に都内であり、殊勲賞はWBA&IBF世界ライトフライ級王者田口良一(31=ワタナベ)とWBO世界フライ級王者木村翔(29=青木)の2人が受賞した。ともに初の受賞となった。

 田口は大みそかの2団体統一戦が評価され、年間最高試合賞にも選ばれた。「もらえると思わなかった。びっくりだけど、統一戦で強いと証明でき、自信つき、価値ある賞になった。前より堂々とできている」。今までは控えめだったコメントもしっかりし、貫禄がでてきた。

 「MVPを狙っていた」と聞かれると「ほしいけど、村田さんだと思っていたので」。次の目標には10回防衛を掲げている。「ここまできて、(MVPにも)ノミネートもされ、やるからには狙いたい。3団体統一の可能性もあり、日本人は初めてをやってみたい」とさらなる意欲を口にした。

 木村はインフルエンザにかかって、7日までは自宅療養で始動も延期していた。表彰式出席も初めてだっただけに「この場に出られて誇りに思う。(殊勲賞は)素直にびっくりでありがたい」と感謝した。ただし持参したベルトはWBOアジア・パシフィック王者時代のもの。「開けたら違っていた。会長に怒られた」と苦笑いだった。

 フライ級はWBC王者が比嘉で、統一戦には「時期が来ればレベルアップにもなるが、日本人同士で削り合いしなくても」と否定的だった。3階級制覇を狙う田中が1位にランクインにも「指名試合になれば。また日本人とやるの思うけど」とあまり乗り気ではなかったが「しっかり防衛していって、もっと有名になりたい」と飛躍を期した。今年からトレーナー賞も新設され、有吉将之会長が受賞と二重の喜びとなった。