ボクシングの元世界王者八重樫東(34=大橋)が、4階級制覇へ向けて10カ月ぶりで再起する。大橋ジムが10日に横浜市内のジムで、3月26日に東京・後楽園ホールでフランス・ダムール・パルー(34=インドネシア)との復帰戦を発表した。ミニマム、フライ、ライトフライ級と世界を制し、今度は2階級上のスーパーフライ級10回戦で日本人初へ再スタートを切る。

 八重樫は昨年5月に王座から陥落した。10月に再起を表明し、12月30日に再起予定も延期した。「1年ぐらいスパンをあけ、ダメージの抜け具合を見たかった」と説明。この間に「迷ったり、悩みながら、方向性を決めた」復帰戦となる。

 練習は効率や疲労を考える年齢だが、あえて練習量を増やす考えだ。「体調を見ながらだが、最後は気合と根性。才能もなく、一生懸命やるだけ」と、激闘王らしい言葉を口にした。体重アップも「無理には作らない」と我流でいく。

 大橋会長は「世界は試合内容を見て」と言いつつ「練習を見る限りはいい」と手応えはある。八重樫は「やるからには4階級までいきたい。不安も多いが楽しみ」と復活を期す。世界王者木村をスパーリングパートナーに仕上げていく。【河合香】