IBF世界スーパーバンタム級王者岩佐亮佑(28=セレス)が鬼門の初防衛を果たした。同級13位サウロン(フィリピン)を終始リードし、8~12ポイントと大差の3-0で判定勝ち。日本から10人目の同級王者で2人目の初防衛にも、ダウンも奪えず反省しきりだった。

 11回にやっとチャンスも仕留めきれなかった。岩佐の口からは自虐コメントが並んだ。「見ての通りの最弱王者。凡戦。これが現実で力不足。情けなく甘かった」と笑みはなかった。

 相手はガードを固め、無理に出てこない。入手した映像は1試合で、来日が遅く公開練習もなし。情報不足に、フィリピン人に8戦全勝もダウンなど苦手意識もあった。尊敬する3階級制覇の長谷川氏から「強い岩佐を見たい」と言われ、練習視察ではお墨付きももらった。テレビ解説で「目も合った」が「強くなかった」と悔しがった。

 小林会長は2日遅れの誕生祝いに「おれの2-1判定よりいい」とホッとした。岩佐は「勝ったことが救い。次も苦手な左。早めに練習を再開したい」。1位ドエニー(オーストラリア)と指名試合でのV2戦で、今度こそ左をさく裂させる。【河合香】