挑戦者魂消さず-。ボクシングのWBA世界ミドル級タイトルマッチ(15日、横浜アリーナ)の予備検診が12日に都内で行われ、初防衛戦に臨む王者村田諒太(32=帝拳)が無事パスした。同級6位エマヌエーレ・ブランダムラ(38=イタリア)を迎えるが、衣装はチャンピオンカラーの赤ではなく、従来通りチャレンジャー色の青。守らず挑み、V1を果たす。

 王者としての余計な自負はいらない。おごりもない。だから、村田は変わらない。「青のままですね。前回と同じですよ」。落ち着いたトーンだった。シューズ、トランクスも王座戴冠した昨年10月のタイトル戦のままの青色を使う。挑戦者コーナーの色のまま、王者の赤コーナーに陣取る。そこにこの試合への向き合い方が宿る。「ルーティンは変える必要ないですから」と事もなげに言った。

 大好きな漫画「はじめの一歩」で世界王者がまとうガウンにあこがれたこともある。「格好いいですよね」というが、用意はしなかった。王者となって一番の「敵」にしてきたのは達成感、安心感、そして王者という肩書に「のまれること」だった。だからこそ、変えないことも意思表示。

 ブランダムラと1月以来の再会となったが、「僕の方が大きいですね」と泰然とした。小学校に入学した長男晴道君の運動会が5月にあり、「格好いいパパのまま行きたいですね」と柔らかく笑った。守らず、挑み、格好良く。青き王者として戦い抜く。【阿部健吾】