21歳の最年少関取、東前頭筆頭の藤ノ川(伊勢ノ海)が、またも横綱キラーぶりを見せつけた。横綱豊昇龍を突き落とし、前日の大の里戦に続いて金星を獲得。横綱初挑戦から横綱戦4連勝は1931年(昭6)の武蔵山以来で戦後初。その4連勝すべてが金星となるのも戦後初の快挙となった。懸賞はこの日の48本を含め、2日合計101本を獲得した。
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幕内最軽量123キロの体で、藤ノ川が場内を沸かせた。首痛の持病を抱えるが、立ち合いはいつも死に物狂い。頭でいく。豊昇龍のかち上げを食った。たまらず後退したが、慌てない。右足を俵にかけて体を開き、横綱を突き落とした。2日続けて、結びの一番で場内に座布団を舞わせた。
「思い切り当たっていって、体が動いたのでよかったです」。軽量ゆえに圧力負けすることは想定済み。「圧力が足りてないんで、体の動きでカバーしようと思ってやりました」。ずぶとい性格で物おじしない。首は気になるが「1日1番だから。1日20番なら無理ですけどね」。1番に集中して勝ちきった。
横綱初挑戦から横綱戦4連勝は、3連勝の小錦を超えた。4連勝は明治から昭和にかけて3例あり、藤ノ川は戦後初。その4勝がすべて金星は藤ノ川だけ。歴史に残る記録だが、平成17年生まれの藤ノ川が「知らなかったです」と言うのも無理はなかった。
この日は、懸賞48本を獲得。前日の53本に続き、2日で101本、606万円の収入になった。前夜は焼き肉に行こうとしたが、付け人に所用があったため、沖縄料理店に変更。ゴーヤーチャンプルーなどを楽しんだという。「今日こそは焼き肉です」と意気込み、残りは「貯金です」とほおを緩めた。
父の甲山親方(元幕内大碇)は「ケガなく最後までいって欲しい」と頼もしい長男を見守るだけ。浅香山審判部長(元大関魁皇)は「元気があるし、相撲がうまい。お客さんも喜ぶと思います」とたたえていた。
休場明けの2横綱や、綱とりの霧島が注目された名古屋場所。三役未経験の藤ノ川が横綱を連破し、序盤の主役に躍り出た。【佐々木一郎】

