2階級制覇を狙うIBF世界ライトフライ級6位ヘッキー・ブドラー(29=南アフリカ)が16日、都内で練習を公開した。

 20日に東京・大田区総合体育館で、WBA&IBFの2団体王者田口良一(ワタナベ)に挑戦する。通常は会見をして練習公開となるが、ブドラーは予定の1時間前にジムに到着し、会見の前に動きだした。

 ワタナベジム関係者には「練習を見るな」と言って外へ追い出した。練習はシャドーにバッグとミット打ちを約40分こなし、会見が設定された時間には練習を終えた。ミットでは本来の右でなく左構えで「元々はサウスポーだった」と説明したが、王者陣営をけむに巻こうととしたようだ。

 ブドラーは前回田口が勝ったIBF王者メリンド(フィリピン)に1-2で判定負けしていた。微妙な判定に抗議したことで、今回指名挑戦となった。「あの試合は勝っていた。田口はベストファイターで厳しい試合になるだろうが、自信がなければ試合しない」。5度防衛したWBA世界ミニマム級に続くベルトを確信していた。 ネイザン・トレーナーは「田口は後半強い。後半集中できるように300回のスパーをこなしてきた」。ブドラーは左腕にはポパイの入れ墨があり「すし屋でもホウレンソウを頼んだ」と笑ってパワーを誇示した。

 田口陣営の石原トレーナーは左構えにも「かく乱したいんでしょうが、想定している。田口はスイッチの相手にも勝ってきている。打ってサイドに動きスタイルは変わりないと思う」とあわてることはなかった。