王者井上尚弥(25=大橋)が2試合連続の1回KO勝利で初防衛とワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)トーナメント1回戦突破を決めた。挑戦者となる元WBAスーパー王者で同級4位のフアンカルロス・パヤノ(34=ドミニカ共和国)に軽い左ジャブから強烈な右ストレートを顔面に打ち込んでキャンバスに沈めた。わずか1分10秒でのKO勝ちで日本人の世界戦最速タイムを更新。世界戦連続KO記録(7戦連続)、世界戦通算KO記録(11試合)という2つの日本新記録も樹立した。

衝撃的な勝利に、WBSSプロモーターのザワーランド氏も驚きを隠しきれなかった。会見では「井上はニックネーム通りのモンスターだ。彼のパンチは爆弾で、着弾して大きな波が起きた。素晴らしいパフォーマンスだった」と絶賛。ミドル級のスター、ゴロフキンやアルバレスらの名を挙げ「たくさんのハードパンチャーがいるが、この惑星で一番のハードパンチャーだ」と話した。

◆ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ 米プロモート大手で要職に就いていたリチャード・シェイファー氏、カレ・ザワーランド氏の米独プロモーターがタッグを組んで企画された階級最強を決める大会。各階級に世界4団体の王者が君臨しているため、高額賞金を設定して出場を求め「真の最強」をトーナメント形式で決定する。優勝者には「ムハマド・アリ」トロフィーが授与される。シーズン1として昨秋から約1年かけてクルーザー級とスーパーミドル級を開催し、賞金総額50億円以上とされた。今秋からはシーズン2としてバンタム級、スーパーライト級、クルーザー級の3階級が実施される。