前WBO世界フライ級王者木村翔(30=青木)が、特注グローブで再起戦KOを狙う。30日に中国上海で、東洋太平洋シルバー・フライ級王座決定10回戦でウィチャー・プライオカ(37=タイ)と対戦する。昨年9月のV3失敗から6カ月ぶりの試合に向け、14日に都内のジムで練習を公開した。

木村は10回のミット打ちで力強いパンチを打ち込んだ。お決まりの黄色いグローブは、今回の試合に備えて作製した。アディダスはオーダーメードのグローブ販売を始め、プロでは英国で人気のアミール・カーンらと契約している。木村には国内第1号として提供することになった。

形、材質、色など選手の要望を受けて作製する。木村は欧米よりは小さめで握りやすさなどを注文し、川崎・鶴見の工場で何度も改良した。「柔らかく、これなら倒せそう」と気に入っている。東洋太平洋連盟の認可も下り、再起戦で使用可能となった。

新兵器に加えて技術面も改善してパワーアップした。パンチの角度や軌道を修正して「しっかり強く打てるようになった」と、実際にスパーリングでは1発ダウンを奪った。「新しいことにも取り組み、進化するし、面白い。熱い試合で必ずKOする」。新たな木村をアピールし、再び世界へ名乗りを上げるつもりだ。