Aブロック公式戦で昨年準優勝の飯伏幸太(37)がIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(31)を下し、2年連続で優勝決定戦に駒を進めた。シングルでの対決は5年ぶり3度目。過去2度敗れたオカダから初勝利をあげ、悲願の夏の頂点へ王手をかけた。

あきらめない-。その飯伏の覚悟が勝利を引き寄せた。残り10分をきったところで王者オカダの強烈なドロップキックが飛んできたが、その脚をつかまえ、体をマットにたたきつける。さらにレインメーカーもかわして、カウンターで右のハイキック。最後はこんしんのカミゴェ2連発でオカダを沈めた。開幕2連敗から7連勝と勢いづいたまま決勝へ。昨年は決勝で棚橋に敗れただけに「去年と同じ過ちは繰り返さない。最後まであきらめないから」とリング上で力強く宣言した。

シングル3度目の対戦でオカダから初勝利し、壁を越えた。年は飯伏が5つ上だが、ともにデビューは04年の同期。それでも飯伏が14年までジュニアヘビー級を主戦場にしていたため交わる機会は少なかった。初対戦は13年8月。新日本、DDT両団体所属時代で、DDT両国大会のリングで敗れた。翌14年3月、今度は新日本の旗揚げ記念大会スペシャルマッチで対戦。IWGPジュニアヘビー級王者として、同ヘビー王者のオカダに善戦も敗れた。3度目にしてやっとオカダを倒した飯伏は「強すぎる…。まだまだ(出したのは)100分の1。出し切れてないんじゃないですか」と王者をたたえ、「まだまだ続きを見せましょう」と再戦を望んだ。

DDTでデビューし、13年からはDDTと新日本のW所属。16年からフリーとして活動していたが、今年3月に新日本に再入団。世界中の注目を集める新日本マットで、レスラー人生最後まで戦い続けると決めた。「絶対に8月12日は飯伏幸太の日にしてみせます」。高まる期待をその身に受けとめ、決勝のリングに立つ。