同級3位の元3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(37=カザフスタン)が新王者となった。

同級1位のセルゲイ・デレビヤンチェンコ(33=ウクライナ)と空位の同王座を争い、3-0(114-113、115-112X2)の判定勝ち。1~2ポイントという僅差の勝利となり、試合後はデレビヤンチェンコとの再戦に応じる構えも示した。新王者のゴロフキンは区切りの40勝(35KO)1敗1分け。負けたデレビヤンチェンコは13勝(10KO)2敗の通算戦績となった。

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1回に左フックをこめかみにヒットさせた後に連打を浴びせてダウンを奪ったゴロフキンは2回に強烈な左フックで相手右目上カットに追い込んだ。試合の主導権を握ったようにみえたが「彼は非常にタフだった。私によっては大きな経験」と振り返るように、手数多く追い上げてきたデレビヤンチェンコを止められなかった。5回には左ボディーを浴びて一瞬後退するシーンも。判定結果を耳にするまでゴロフキンは不安そうな表情だった。

「これは大変な戦いだった。またキャンプで強くなる必要がある。もう少し集中しなくてはならない」と振り返ったゴロフキンは「少し集中を失っていた。相手は準備ができていた。再戦に関しても絶対に。もちろん準備ができている」と完全決着をつけたい気持ちも明かした。

デレビヤンチェンコとの再戦が浮上しながらも、IBF王者となったゴロフキンの今後の注目は20年5月にもWBAスーパー、WBCフランチャイズ世界同級王者サウル・アルバレス(メキシコ)との3度目対決。アルバレス戦を問われた新IBF王者は「まだ私はカネロ(アルバレスの愛称)戦を希望している。誰にでもオープン。この階級にはたくさんの素晴らしい王者がいる。カネロに連絡してください。彼がイエスといったらやろう」と意欲を示した。

一方の僅差で敗れたデレビヤンチェンコは「(流血で右目は)時々、見えなかった。彼は目を狙っていたが、言い訳にしたくない。最善を尽くした。可能であれば再戦をお願いしたい。準備はできている」と希望していた。両選手ともに試合後会見を欠席し、両陣営のトレーナーとプロモーターのみが対応。激戦を物語っていた。