清宮と拳王があの“事件”を語った。

プロレスリングノアが1日、翌2日に両国国技館で行うビッグマッチの公開前日会見を都内のホテルで開いた。6度目の防衛戦に臨むGHCヘビー級王者清宮海斗(23)が公の場に現れるのは、10月22日の浜松大会で拳王(34)のダイビングフットスタンプをくらって首を負傷して以来、10日ぶり。元気な姿に集まった約100人のファンが喜ぶ中、拳王はマイクを持つなりほえた。

「おい清宮。なんだよ、てめえ。ぴんぴんしてるな。ずっとだんまり決めて。携帯なくしたのか? パソコン壊れたのか? どうせ会社に、いや親会社のリデット・エンターテインメントに黙っておけ、って言われたんだろ?『プロなのに、選手、相手にけがをさせて、プロ失格だ』。そう思わせたいだけにだんまり決めてたんだろ。でも、今日安心したよ。もう1度、プロのフットスタンプでお前を倒してやるからな」。悪びれる風もなく、清宮を挑発した。

一方の清宮はまず「この1週間首のけがということでご心配をおかけしました」とあいさつ。「今はもう大丈夫です。100%治っています。まず1番最初に伝えたかった事です。みなさんの前にでてくる時は心身ともに100%じゃないと。光の速さで治してここまでやってきました。おれが光になってベルトを防衛して、みんなと一緒に新しい景色をみたいと思います」と堂々と宣言した。

浜松大会での負傷は、清宮が猛虎原爆固めをしている最中に拳王がダイビングフットスタンプをしたことで起こった。清宮は病院に搬送され、頸椎(けいつい)捻挫で約1週間安静となった。

ウェブ上、SNS上で拳王の技のかけ方を危険だとする声が上がる中、拳王は「今の日本のプロレス界、世界のプロレス界、フットスタンプ1発であれだけ話題をもっていけるやついるか」と悪びれずに振り返った。

清宮は「フットスタンプに関しては、前哨戦で熱くやってきたので、覚悟をもってやった技というのは分かります」と理解を示し、その上で「次きたら受け身をとれる自信がある。首を攻めようが関係ない」と加減なしの戦いを求めた。

2人の一騎打ちは今年1月の同タイトル戦以来10カ月ぶり。この試合から、GHCヘビー級のベルトは新しくなる。今後の団体の命運をかけたメインの一戦に向け、立ち合い人の小橋建太氏(52)は「これがGHCだという試合を期待します」とエールを送った。