K-1傘下のKrushフェザー級王者江川優生(21)が第3代同級王座決定トーナメントを制覇した。

決勝でジャオスアヤイ・アユタヤファイトジム(18=タイ)から2度のダウンを奪って1回1分、KO撃破。1日3試合という過酷なトーナメントで、外国人相手に全試合1回KO勝ちという圧倒的な強さをみせ、超新星の輝きをみせた。

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顔に傷はない。汗もかいていない。1回戦、準決勝、決勝。江川は3戦を計5分31秒で終わらせ、フェザー級ベルトを巻いた。「ベルトを取るのが夢で、努力が1つの形になりました」。ポーカーフェースが崩れ、うれし涙も流した。

弾丸のような勢いだった。軽量級離れした破壊力のある左ボディー、右フック、後ろ回し蹴りを打ち込み、KOを積み重ねた。「最初で最後のチャンスだと思っていた」との危機感も両拳、両足に乗り移った。同じ所属先にはスーパーバンタム級王者武居も在籍。今トーナメントのため、スパーリング相手を務めてもらった。K-1王者が身近にいる“刺激”こそが、起爆剤でもある。

「足立区の怪物」が愛称の江川。Krush王座は返上し、K-1王者に専念する予定だ。「初めて外国人と戦った。倒すのは大変でした。K-1の顔になりたい」。いずれ「K-1の怪物」と呼ばれる未来へ、1歩踏みだした。