昨年7月の米サンフランシスコ大会で首を負傷して以来欠場していた高橋ヒロム(30)が、1年5カ月ぶりにリングに復帰した。

メインのタッグ戦でBUSHIと組み、ロビー・イーグルス、ウィル・オスプレイ組と対戦。大歓声の中、まずオスプレイと組み合うといきなり激しいエルボーの応酬。コーナーから雪崩式で2人をまとめて投げるなど復帰前と変わらぬ動きで大暴れした。

だが、最後はイーグルスに必殺技タイムボム(旋回式変形エメラルド・フロウジョン)を決めそびれ、返し技でフォール負け。高橋は、まさかの復帰戦黒星にショックを受けたのか、うなだれながら無言で退場した。

一方、1月4日に高橋とIWGPヘビー級タイトル戦を行う王者オスプレイはマイクで「ヒロムお帰り。そして復帰戦で負けたとはな。まだ準備ができていないようだ」。コメントブースでは、この日昼に行われた調印式で高橋がやったのをまねて、ベルトの声を代弁。「ぼくを抱きしめるのには、早すぎるのかもしれないよ。もっと練習してから戻ってきてね」と高い声でおどけた。

高橋は昨年7月、ドラゴン・リーとのIWGPジュニアヘビー級王座防衛戦で、投げっぱなしドラゴンドライバーを受けた際に首を負傷。そのまま試合を続け防衛に成功したが、病院に搬送され、重症であることが判明。関係者によれば診断は首の第一頸髄(けいずい)複数箇所骨折で、長期欠場となった。

リハビリを経て、今年11月の大阪大会でサプライズ登場。その場で復帰宣言するとともに、IWGPジュニアヘビー級王者オスプレイに挑戦を表明した。

1月4日のオスプレイとのタイトル戦まで前哨戦は20、21日の残り2つ。屈辱の負けから立ち直り、ベルト奪取への道筋を示せるか。