格闘技イベントRIZIN20大会(さいたまスーパーアリーナ)に参戦するキックボクサー那須川天心(21)が23日、松戸市内の所属ジムで練習を公開。大みそかに視聴率を争う“強敵”「NHK紅白歌合戦」にCMがないというストロングポイントを初認識した。

那須川は、大みそかに新日本キックボクシング協会のエースでWBKA世界スーパーバンタム級王者江幡塁(28)と対戦。その模様はフジテレビで生中継される予定だ。さまざまな裏番組がある中で最も手ごわいのが紅白。「紅白はすごい…」と強さを認めた上で「紅白の歌が終わって、CMになるタイミングでなんか面白いかなと(チャンネルを)まわしてRIZIN見てもらえれば…」。視聴者を獲得する理想の形を描いたが、NHKにはそもそもCMが無い。それを指摘されると、「CMがないんですか?」と驚きの表情。「やばい。知らなかった…。そうなんだ」と笑いながら、しばらくその事実をかみしめた。

それでも、紅白には負けられない。お目当ての歌手以外の時に、チャンネルを変えて自分の試合を偶然目にしてくれることを望んだ。「おっ、なんだコイツ、と。だれが見てもこいつすごいじゃないかと思われる試合をしたい」と、一目で心をつかむつもりだ。

今年はフジテレビ「逃走中」など多くのバラエティー番組に出演。格闘技のPRに努めた。「試合をみたことなくても僕を見たことある人たくさんいると思う。そういう人たちに年末、『那須川天心出てる。すごい』と思ってほしい。それが狙い。ちゃんと爆発させたい。テレビでハンターから逃げている人と思われているかもしれないですが、試合で証明したい。僕は格闘家。戦うのが1番」と語った。

昨年末に注目を集めた異色カード、フロイド・メイウェザーとの特別ボクシングマッチとは違い、今回はキックの実力者同士の玄人好みの戦い。その中でも、見ている人を喜ばせたいという気持ちは変わらない。「KOが必要。慎重に戦おうとも思うんですけど、やっぱり、大みそか。盛り上げる試合をしないといけないかなと思います」。約2カ月半ぶりの試合で、大みそかの話題をかっさらう。