伝説の女子プロレス団体GAEAジャパンが15年ぶりに復活する。同団体の創始者長与千種(55)と愛弟子で現在センダイガールズプロレスリングを主宰する里村明衣子(40)、さらに長与の弟子彩羽匠(27)、里村の弟子橋本千紘(27)が5日、都内で会見し、旗揚げ記念日の4月15日に後楽園ホールで一夜限りの復活興行「GAEAISM」を行うと発表した。

長与は昨年12月8日、自身が4年前に立ち上げた女子プロレス団体マーベラスのリングに初めて選手として登場。試合後に同団体の代表を退き、ニュートラルな立場で女子プロレス界に「仕掛けをする」と予告してきた。長与は「この1つの爆弾が、仕掛けの最初」。この復活興行で業界を揺るがす狙いだ。

大会にはGAEAの過去と未来を詰め込む。セミファイナルは長与、里村、広田さくら組対KAORU、永島千佳世、植松寿絵組というGAEAOBメンバー夢の6人タッグ戦。05年4月10日、後楽園ホールでのGAEA最後の興行でシングル戦を行った長与と里村が15年ぶりに同じリング、そしてコーナーに立つ。里村は15年前の試合時に「直感的にこれが最後じゃないと感じた」と、いつか再び長与と交わる日が来ると感じていたことを明かした。12年に引退している植松以外の「5人が(女子プロレス界に)存在していることが奇跡」とし、「これぞGAEAジャパンという試合をお見せしたい」と意気込んだ。

メインは、GAEAジャパンや長与に憧れてこの世界に入った彩羽匠と橋本千紘の現在トップ2人のシングル戦。橋本は「GAEAジャパンを見て、プロレスラーになった私にとって、GAEAのリングで戦えるのは夢のよう」。彩羽は「GAEAは女子プロレスの全盛期の最後。そこからずっと止まっている。ここで動かしていかなければ」と覚悟を口にした。長与はGAEAの血を引き継ぐ2人の試合を「女子プロレス界の未来です」と語り、2人に「楽しみなさい。楽しめばもっと何か面白いことが誕生する」と言葉を贈った。

くしくも前日4月14日には、昨年11月に新日本プロレスと同じブシロード傘下となった女子プロレス団体スターダムの興行が控える。カリスマ長与にとっては「ラッキー」な状況でしかない。「ブシロードさん、ありがとう。もうラッキーすぎて。こんなにしびれることってないかな、と思うんですよね。大好き。言っときますけどケンカ売るつもりはない。たまたま。(2日連続興行は)あっちゃいけないでしょ、本来だったら。でも、だから面白いんですよ、プロレスって。何かを生み出すかもしれないし、ひょっとしたら、里村選手と一緒に何か感じるものがあるかもしれませんし。何が起こるかは生ものなので分かりません。でも、たくさんの伏線をはっています。もう自分の頭の中にはあります」と、うれしそうに謎かけをたたみかけた。