ボクシングの興行は条件付きで開催続行となった。日本ボクシングコミッション(JBC)と日本プロボクシング協会は8日、新型コロナウイルス対策連絡協議会を開催。緊急事態宣言の1都3県について、興行自粛を推奨するものの、開催には医療体制確保を前提に午後8時終了をメドとすると決めた。

会議では中止の意見が多かったが、前回宣言時と違ってイベント中止要請はなかった。JBC安河内事務局長は「経験と知見を積み上げ、会場での感染、クラスターの発生はなかった」。日本協会新田事務局長も「自負と実績がある」と開催続行を判断した。

今後は救急時などの医療体制が確保できない可能性もある。安河内事務局長は「当日確保できずに中止もありえる。プロモーターの負担が大きいことから、自粛を推奨とした」と説明した。

他競技に比べると厳しい姿勢と言える。安河内事務局長は「コンタクトスポーツで感染の可能性は高い。屋内競技という特性もある。ボクシング界の医療機関の負担を考える意識も高い」と付け加えた。

移動が感染要因の一つから、1都3県外から出場選手の試合キャンセル希望には即時対応する。実際に鹿児島の選手から申し出があったという。入場券の販売も制限する方向となった。

宣言期間内に東京・後楽園ホールでは、タイトル戦4試合を含めて7興行が予定されている。今年は14日の東洋太平洋バンタム級王座戦が最初の興行となる。王者栗原慶太(27=一力)に元世界王者井上拓真(25=大橋)が挑戦する注目カード。興行の開始時間を早めて開催する。前回宣言時はジム運営も自粛したが、指針として午後8時で営業終了を示した。