SWA選手権試合は、朱里(31)が、渡辺桃(20)の挑戦を退け、2度目の防衛に成功した。

終盤、新技で渡辺を沈めた。ランニング・ニーで優位に立つと、これまで出したことのなかった玄武で3カウント。意識を失いかけ、レフェリーから「試合は続いているぞ、分かるか」と声を掛けられるほどの壮絶な戦いを制した。「桃~。やっぱり強いな」と認めた上で「でもまだ負けるわけにはいかない」と語った。

昨年1月から参戦し、2月にはアーティスト・オブ・スターダムを戴冠。同11月に正式入団し、すぐにSWAのベルトを巻いた。20年プロレス大賞に輝いたジュリアとともにユニット、ドンナ・デル・モンドを引っ張る。「価値を上げるためには負けられない」。コロナが収まれば世界の強い選手と戦う意思を示し「それまではベルトを持ち続けたい」と誓った。さらに「赤いベルトも狙っていくつもり」と、林下詩美の持つワールド・オブ・スターダムへの挑戦も視野に入れる。

最強王者になるため、苦手な敵はつぶしておく。次戦の相手には昨年5★STAR GP2020で敗れたAZMを指名。「スピードがあるし、すぐに丸め込まれるやっかいな相手。しっかり研究して借りを返したい」と意気込んだ。対戦日は未定だが「ジュリアの防衛戦と同じ日にやりたい」と明かした。「SWAのベルトが隠れているのが悔しい」。あえて同じ日にやることで、ベルトの価値を上げるつもりだ。「どんどん上がって行くためにきっちりと勝ち続けていたい」。正式入団からわずか2カ月だが、スターダムの頂点に立つため、貪欲に勝利を求めていく。【松熊洋介】