米プロレスWWEによる年間最大の祭典レッスルマニア37大会は10、11日(日本時間11、12日)、米フロリダ州タンパのレイモンド・ジェームス・スタジアムで開催される。レッスルマニアの舞台は、98年のレッスルマニア14大会からセットデザイナーのジェイソン・ロビンソン氏が担当している。同氏が手がけるセットに転機が訪れたのは01年のレッスルマニア17大会だったという。

久しぶりにスタジアム開催となったことを受け、上司であるエグゼクティブ・プロデューサー、ケビン・ダン氏に「何か違うことをやろう」と提案。同年からレッスルマニアのセットは会場の大きさとともに成長していった。

ロビンソン氏は人気ロックバンドとなるメタリカの90年代のツアーステージやスターウォーズから形や色使いなどを参考にした。特にスターウォーズ「帝国の逆襲」での深い青、紫、オレンジをバックにしたダースベイダーとルーク・スカイウォーカーによるライトセーバー戦に強い衝撃を受けたという。

同氏のデザインは約半年前に会場視察することからスタート。スタジアムの特徴的な部分、ショーのイメージを膨らませる。さまざまなアイデアを練り、議論を重ねるそうだ。すると「デザインの『神』が降りてくる」(同氏)瞬間があると強調する。その方向性で上司からゴーサインが出ると、すぐに実現に向けてアイデアを詰め、新しいチャレンジを模索。毎回レッスルマニアの前夜は、セットに囲まれた静かなスタジアムで、それまでのプロセスを振り返り感慨に浸るのだという。

ロビンソン氏自らが手がけたレッスルマニアデザインでのトップ4は次の通り。

(1)レッスルマニア29大会:会場を下見した瞬間に「ここにブルックリンブリッジを作ろう」と話し実現した。

(2)レッスルマニア33大会:最初に「ここにテーマパークを作ろう」と言った時はみんなに2度見されたそうだ。

(3)レッスルマニア24大会:スタジアムは広々と使うことができたため、マイアミのリゾートをイメージしてホテルを建設。

(4)レッスルマニア34大会:ニューオーリンズのお祭りマルディグラのマスクイメージは「神が降りてきた」。中邑真輔がWWEヘビー級王座挑戦時、大勢のバイオリン奏者の間を入場し、話題になった。

今年のセットについて、ロビンソン氏は「今年のスーパーボウルの会場でもあり、多くの人がスタジアムは見たことがあるでしょう。今度はWWEの番。WWEならではの違った見せ方を楽しみにしていて欲しい」と自信を示している。