RIZINファイターの皇治(31=TEAM ONE)が11日、都内に自身専用のジムをオープンし、マスコミに向けたお披露目会を行った。

世田谷区の同施設は約70平米の3階建てで、1階がジム、2階が筋トレルーム、3階が事務所となっており「これまで慢心的な練習しかできていなかった。マジで気合入ってます」と意欲を見せた。

昨年12月に五味隆典に敗れ「ちょっとてんぐになっていた」と改心。特に五味戦後には「一時代を築いた人なのに本当に勝ちに徹するハングリーな男だった。その気持ちを忘れていた」。引退も考えていたが「男なのでこのままでは終われない」と再スタートを誓った。拠点を関西に移すことも考えたが「東京から逃げたといわれるのが嫌で、ここからもう1回はい上がる」と関東を選択。思い立ったらすぐに行動に移すタイプの皇治は、2月から動き始め、わずか2カ月で練習に集中できる新たな環境を整えた。

格闘家が個人のジムを開くのは異例で「たぶん格闘家で初じゃないですか? ここから一花咲かせたら伝説になる。世の中のほざいているやつらを全員倒してやろうと」と意気込む。現在は朝から晩まで練習漬けの毎日。「今は一切女の子と遊んでいないので、めちゃめちゃ強いですよ」とジョーク交じりに語った。

前日には同じキックボクシングの那須川が来年3月でのボクシング転向を表明。自身も昨年9月に対戦して敗れており「若いのにいろんなことに挑戦して立派」とたたえた上で「相当殴られたから、どこかで仕返ししてやりたいと思っている」と不敵な笑みを見せた。ファンが期待する武尊との一戦にも言及。「みんなが夢見てるカードを実現してくれたらうれしいなと。そこに向けて頑張って欲しい」とエールを送った。

若い頃から「お金を稼ぎたい」一心で格闘技を続けてきた。ジム開設も「格闘家はみんな貧乏で夢を見せたいというのがあった。1人のジムを作れるようになって稼げるんだぞと」と地方で頑張る若い選手たちに向けたメッセージでもある。ビジネスにも興味を持っている皇治。「知名度を上げてナンボ」とビッグマウスで人気を集めた。スーパーや新聞配達で働いた経験もあり、今では1回の興行でチケットを3000枚売るなど“営業”にも力を入れる。現在ジムは一般客の受け入れを行っていないが、将来的に大きく展開することも視野に入れる。「大きな大会を目指して頑張る若い選手たちを推薦できるようになれば」と野望を明かした。

再起をかける次戦は5月30日、地元大阪での大会が有力。榊原CEOには「自分に文句のあるやつはたくさんいるから、みんな集めてトーナメントをやりたい」と提案したこともあるという。「誰でもかかってこい」と強気な姿勢を見せる皇治。口だけではないことをリング上で示す。【松熊洋介】