ボクシングWBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔が所属するAmbitionジムが、日本プロボクシング協会(JPBA)に日本ボクシングコミッション(JBC)役員の退任などを求める上申書を提出したと31日、発表した。

JBCではなく、JPBAに提出した意図とは? JPBAとJBCの関係とは? 日本プロボクシング界に存在する2つの団体を解説する。

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日本プロボクシング協会(JPBA)は国内プロボクシングジムの会長らで構成する組織となる。WBA世界ミドル級スーパー王者村田諒太(35)が所属する帝拳ジム、WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(28)が所属する大橋ジムなどが加盟している団体となる。井岡が所属するAmbitionジムもJPBAに加盟しており、JBPA全体としての対応を願い出るために上申書を提出した形となる。

日本ボクシングコミッション(JBC)は日本で開催されるすべてのプロボクシングの試合などを統括している組織だ。コミッショナーは東京ドーム代表取締役社長執行役員の長岡勤氏で、理事長は東京ドーム顧問の永田有平氏が務める。プロボクシング興行に関する選手やトレーナー、マネジャーのライセンスを発行し、規則違反した場合には処分を下す立場にある。

興行時には試合役員、レフェリー、ジャッジらを派遣し、前日計量やドクターによる選手健診の補助も行う。世界主要4団体(WBA、WBC、WBO、IBF)が開催する世界戦時には地域団体としてサポート。昨年大みそかの井岡-田中恒成戦の際、不手際があったドーピング検査などプロボクシングに関するさまざまなことを管理、監督している。JPBAとJBCが協力関係を築かなければボクシング興行は成り立たないと言っていい。

今回、Ambitionジムが提出した上申書はJPBAの理事会などで審議され、JBBAとして対応する。上申書として必要があれば、JBCに見解を求める文書を出す流れとなる。なおJBC理事にはJPBA会長が兼務することのなっており、現在は花形進会長が理事を務めている。JPBAの申し入れが、JBC理事会で議論されるかどうかをチェックできる態勢となっている。

★井岡の騒動経緯★

▽4月26日 昨年大みそかの防衛戦で採取した井岡の尿検体に大麻や違反薬物が検出されたと一部の週刊誌が報道

▽同27日 JBCが井岡の薬物に関して倫理委員会で調査、審議中と発表。井岡事務所は大麻使用や違法薬物の摂取を全面否定

▽5月1日 井岡と対戦した田中が所属する畑中ジムはJBCに質問状を送付したと発表。「井岡選手のドーピング問題に関してJBCに対して大変疑念を持っている」と質問状を内容証明書で送付

▽同15日 畑中ジムの畑中会長が会見。8日にJBC側から回答を受け取ったとし、内容は「すべて納得できないもの」と不満をあらわに

▽同19日 JBC永田理事長らが会見し、倫理委員会の審議、調査の答申を発表。検査体制の不備を踏まえ「違反はなかった」と結論。処分せず、検査体制や情報管理の不備も認め、井岡や田中に謝罪。井岡も会見し「潔白が証明できた。今の体制で続けていくのは怖い」と発言

▽同20日 JBC発表を受け、田中は「混乱を招いたことは非常に残念」、畑中会長も「JBCの関係者はしかるべき責任をとるべき」と声明発表。JBCは公式サイトで報道各社に向け、おわび文書を発表

▽同28日 JBCが公式サイトで2度目のおわび文書を掲載

▽同31日 井岡の所属先Ambitionジムが日本プロボクシング協会に上申書を提出