ボクシングWBC世界バンタム級王者ノニト・ドネア(38)が8月14日(日本時間15日)に米カリフォルニア州カーソンで予定されたWBO世界同級王者ジョンリール・カシメロ(31=ともにフィリピン)との2団体王座統一戦をキャンセルしたと29日(日本時間30日)、自ら公式SNSなどで報告した。

カシメロの「VADA(ボランティア・アンチドーピング協会)への書類提出が5日間遅れたため、この戦いをキャンセルしました」などと理由を挙げた。

両陣営から2団体統一戦が発表された後、カシメロ本人と陣営がドーピング検査を躊躇(ちゅうちょ)、拒否していると伝えられ、ドネア陣営が不快感を示していた。カシメロと契約するMPプロモーションはカシメロが17年からVADAとWBCクリーンボクシングプログラムに登録されているとドネア陣営に伝えていたが、両陣営間の条件通りの手順が踏まれなかったようだ。

ドネアは「薬物検査を開始するための適切な情報を提供する上で相手側が正直でも、前向きでなかったという証拠も持っている」ともつづった。

当初、カシメロの相手はWBA正規王者ギジェルモ・リゴンドー(40=キューバ)だったが、ドネアがWBC王者となったことで急きょフィリピン人王者対決で交渉が進行。6月19日のWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(28=大橋)-IBF同級1位マイケル・ダスマリナス(28=フィリピン)戦当日に両陣営からドネア-カシメロ戦が発表されていた。この際、ドネア-カシメロ戦の勝者が統一した2本のベルトを懸け、井上と4団体統一戦で対決する流れになっていた。井上の4団体統一の行方も注目される。