日本ユース・スーパーライト級王者佐々木尽(19=八王子中屋)が、逆転KO防衛で日本同級王座挑戦権をつかんだ。

2階級制覇狙いの日本ユース・ライト級王者湯場海樹(22=ワタナベ)と無敗対決。1、2回に連続ダウンを喫すも、左フックでお返しのダウンを奪い、2回2分3秒KO勝ちした。秋に予定する同級1位平岡アンディ(24=大橋)との日本王座決定戦へ進出となった。

佐々木は絶体絶命のピンチから、「完全に狙っていた」と渾身(こんしん)の左フックを振り回した。物の見事に湯場の顔面を捉えてダウンを奪った。湯場は立ち上がったものの、ふらついてロープに倒れかかった。この間に10カウントとなってのKO。「めちゃめちゃ、超うれしかった」と5連続KOを飾った。

1回はガードを堅めながら、様子を見ていった。時折見せる大ぶりの左は空を切った。そこへ終盤、湯場の左ストレートをもらい、人生で初のダウンを喫した。セコンドに「ガードを堅め、クリンチも」と指示された。ところが、2回早々にも左ストレートで2度目のダウン。「足に来て、効いていた」と追い込まれたが、持ち前の一発ではね返した。

前日に宣言したような「アーティスティックなKO勝ち」とはいかなかったが、これで11戦11勝(10KO)とした。KOはいずれも3回以内。当初は5月に墨田区体育館が延期されて会場が変更となった。自宅も通学する八王子拓真高も近く、陸上競技場では普段から走り込みする地元で凱旋(がいせん)も飾った。

試合後は観戦していた平岡もリングに上がり、フェースオフで火花を散らした。平岡は「楽しい試合になるが、ボクには世界へ通過点」と余裕のエール。

2人スパーリングをしたこともあるが、世界ランカーでもある平岡が優位だった。佐々木は「2度目ダウンして実力はまだまだ。でも、あと2、3カ月でめちゃ力を上げ、勝てるレベルにする」。次は番狂わせを狙う。