メインイベントで行われたIWGP USヘビー級選手権試合は挑戦者の棚橋弘至(44)が、ランス・アーチャーに勝利して第10代新王者に輝き、今タイトル日本人初戴冠となった。

棚橋はIWGPヘビー級、インターコンチネンタル、NEVER無差別級に次ぐ、IWGPシングルの4つ目のタイトル獲得となった。

20センチ以上身長差のあるアーチャーに、スイングブレイド、ドラゴンスクリューとひねり技を多用して応戦した。終盤終盤勝負どころとみた棚橋はコーナーからハイフライフロー3連発を決めて沈めた。マイクを取った棚橋は「新日本が戻ってきた」と笑顔を見せ「ありがとう」と何度も叫んだ。「USヘビー級王者に輝いた。また米国に戻ってくることを約束します」とファンに向けて語った。9月、10月と米国での興行も決まっており、今後の参戦を示唆した。

これまで米国では無観客で行われていた新日本の興行だったが、感染対策を徹底し、マスク着用の上、約1年ぶりに有観客で行われた。棚橋のほか、石井智宏も日本から参戦。海外遠征初戦となった上村は10人タッグで3カウントを奪い、LA道場入りを発表。また、IWGP世界ヘビー級のベルトをケガのため返上していたウィル・オスプレイも現れるなど、日本にゆかりのあるレスラーたちが次々と登場し、大会を盛り上げた。

◆新日本プロレスのシングルタイトルと現王者

▽IWGP世界ヘビー級 21年3月に新設。ヘビー級とインターコンチネンタル2冠王者となった飯伏が統一を要求し、実現した。現王者は第3代鷹木信悟。

▽IWGPヘビー級 87年に開催された「IWGP王座決定リーグ戦」で優勝したアントニオ猪木を初代王者として制定。その後最後の王者となった第73代飯伏により21年3月に統一され、世界ヘビー級に移行。

▽IWGPインターコンチネンタル 11年設立。当初は海外でのヘビー級への登竜門という位置付け。初代王者はMVP。ヘビー級と同じく、27代王者の飯伏により、21年3月に統一。

▽NEVER無差別級 12年設立。若手育成のための大会がリニューアルされる際に作られた。初代王者は田中将斗、現王者は第33代ジェイ・ホワイト。

▽IWGP USヘビー級 17年米国で行われたG1 Specialの開催で設立。初代王者はケニー・オメガ。現王者は日本人初の第10代棚橋弘至。