ボクシング元世界ヘビー級統一王者イベンダー・ホリフィールド(58=米国)が、復帰戦で1回TKO負けした。

11日に米フロリダ州ハリウッドで元UFC王者ビトル・ベウフォルト(44=ブラジル)と対戦。左アッパーにダウンを喫し、さらに連打を浴びるとレフェリーがストップした。1回1分49秒TKO負けで、10年ぶりのリングは完敗に終わった。

ホリフィールドは左ジャブを突いてスタートも、50秒すぎに大きな左フックをもらうと後退した。そこへさらに連打を浴びる。左フックを返すが空振りでバランスを崩し、ロープに突っ込んだ。再開後にフックに続いて左アッパーを浴びるとダウンした。

立ち上がって試合は再開されたが、左アッパーなどの連打にガードを固めるのがやっと。まったく手が出ずに試合を止められた。ホリフィールドは「まだできる」とアピールも一方的だった。

1ラウンド2分も1度は公式試合に格上げされたが、最終的にはエキシビションマッチの8回戦となった。ホリーフィールドは赤いガウン、トランクス、シューズにグローブで登場した。身長で5センチ、体重では9キロ差。サイズでは1周り大きかったが、現役時11敗でTKO負けは2度で、最短のTKO負けとなった。ロス五輪銅メダルからプロ入りし、クルーザー級とヘビー級で3団体統一王者となり、ヘビー級では4度返り咲いた。いずれもただ1人の栄光も形無しだ。

当初は6月に復帰予定も延期となった。今回は新型コロナウイルスに感染した6階級制覇王者オスカー・デラホーヤ氏(48=米国)に代わっての出場だった。「2年間トレーニングを積んできた」と自信を口にしていた。11年にブライアン・ニールセンに10回TKO勝ち以来のリング。ブランクに年齢の衰えを乗り越えることはできなかった。

試合前のオッズではベルフォートが優位と出ていた。UFCミドル級で屈指の強打者で、ヴァンダレイ・シウバや秋山成勲にも1回KO勝ち。18年にリョート・マチダに敗れて引退していた。今回は3年半ぶりのリングとブランクも短く、ホリーフィールドより1回り以上若かった差があった。ボクシングは06年に1回KO勝ち以来15年ぶりだったが、2戦2勝2KOとした。