K-1ルールに初挑戦する08年北京オリンピック(五輪)柔道男子100キロ超級金メダルの総合格闘家石井慧(35=チーム・クロコップ)が師匠直伝となる戦慄(せんりつ)の左ハイキックをスタンバイした。

20日、横浜アリーナで開催されるK-1横浜大会(日刊スポーツ新聞社後援)でK-1クルーザー級を主戦場とする愛鷹亮(31=K-1ジムSAGAMI-ONO KREST)とスーパーヘビー級3分3回で対戦を控える。9月上旬から続けた国内の隔離期間を終え、19日には前日計量に臨む。

練習拠点となるクロアチアで8月下旬まで調整していた石井は、師匠となるミルコ・クロコップ氏(47)に打撃指導を受けてきた。06年のPRIDE無差別級GP、12年のK-1 WORLD GPを制した同氏の代名詞といえば左ハイキック。愛鷹戦に向けた実戦練習ではクロコップ氏と2度スパーリングし、直接アドバイスを受け取ったという。

石井は「総合(格闘技)とキックでは蹴りの出し方も違う。ひと通り、キックの練習はしてきたので、出せるように頑張りたい」と静かに燃えた。同氏からも最終調整で「良くなっているね」と打撃技の成長ぶりを評価されたという。

対戦相手の愛鷹はクルーザー級とはいえ、1発で倒すことができるパンチを持っている。「彼の試合をみてパンチで倒しているイメージ」と印象を口にしながらも、石井は「結構、ハードパンチを受けてきているので、警戒はしていない。(パンチを)もらう準備をしている。自分の強みは頑丈なところなので」と被弾覚悟で打ち合う姿勢を示した。

横浜アリーナは96年にクロコップ氏が初めてK-1参戦した試合会場となる。「自分のK-1初挑戦と同じ会場なんて不思議な縁を感じますね。ミルコから言われ、ただ、ひたすらスパーリングしてました」と手応え十分の石井は「K-1は小さい頃から見ていた夢の舞台。ぜひ出てみたいと思っていた。パフォーマンスをみせる試合をしたい。倒して勝ちたい」とK-1デビューを白星で飾る意気込みを示した。