「老人ホーム化」に待ったをかける。「N-1 VICTORY」Bブロックの拳王(36)が、望月成晃(51)を破り、10月3日の準決勝に進出した。勝利は絶対の状況下で、19年優勝時に唯一敗れていた望月を激戦の末に退けた。終盤まで殴り合いは続いたが、胴締めスリーパーホールドでギブアップを奪った。

望月をはじめ、武藤、藤田ら50歳以上の選手が多く参戦した今年のN-1。拳王は大会前から“高齢化”を懸念していた。「平均年齢が50歳近い。旬の過ぎたレスラーたちがいっぱい出て、ノアに未来が見えるのか。老人たち、オッサンたちを、ノアは小遣い稼ぎとかにしか思っていないんだろ」。初戦でケンドー・カシンにこそ不覚を取ったが、その後連勝。4強に進出したのは拳王の他に、準決勝で対戦する25歳の清宮と、33歳の中嶋、52歳の船木。「ノアの未来を作っていくのは俺しかいない」。36歳の拳王は、若手にもオジサンにもタイトルを渡さない。【松熊洋介】