IWGP・USヘビー級王者の棚橋弘至(44)が、11月6日の防衛戦の相手、KENTAとの一騎打ちを制した。

21日日本武道館大会で盗まれていたベルトも取り戻した。

10選手によるイリミネーションマッチに出場した棚橋は、KENTAと1対1になったところで、場外に落とされかけた。それでもトップロープをつかんで踏みとどまると、そのまま逆上がりのように体を持ち上げ、KENTAの首を足で挟み、場外へ突き落とした。オーバーザトップロープで勝利をつかみ、4日ぶりに取り戻したベルトを「ちょっと旅立っていたけど、絶対に離さないから。しっかり管理します」と大事そうに抱えた。最後はファンから投げ入れられたエアギターを受け取り、久しぶりの後楽園のメインでテンションが上がったのか、お決まりのパフォーマンスを2度も披露。満面の笑みで「愛してま~す」と叫んだ。

「おばあちゃんが、誰にでも『愛してます』という人だけは信用するなって言ってました」。SNS上で挑発してくるKENTAを全く相手にしなかった。自分のことよりも、11月6日の大阪大会を盛り上げることの方が大事だった。G1クライマックスが終わり、コロナ禍による制限が少しずつ緩和されていく中で、タイトルマッチ6試合を含む9試合が行われる。「熱を生むのは、戦いだけでなく、俺らに注目しろよ、俺らが盛り上げるんだっていう使命感も絶対に必要だと思う」と力を込めた。「みんなで1歩ずつ、少しずつ慌てずに前に進んでいって、一緒に乗り越えていきましょう」。エースがファンとともに11・6大阪まで盛り上げる。【松熊洋介】