デビュー1周年記念日に初勝利をつかんだ。新人の矢野安崇(21)が8人タッグマッチで、次期GHCジュニアヘビー級選手権挑戦者NOSAWA論外から3カウントを奪う金星を挙げた。

忘れられない熊本の戦いになった。吉岡、小川、HAYATAのスティンガー軍に加わり、鈴木、YO-HEY、Eitaらペロス軍と対峙(たいじ)した。各軍の圧倒的な個性のぶつかり合いに、中盤までは出る幕なし。だが、16分11秒、その瞬間は訪れた。NOSAWA論外がHAYATAのハンドスプリングエルボーでひるんでいる隙を突き、鮮やかに飛びつき前方回転エビ固めを決めてみせた。

「プロレスラーになりたい」と夢見たのは小学生の頃。ゲームや映像を見て興味を持った。高校ではレスリング部に入部し、全国総体出場の実績も残した。卒業前の19年3月、プロテストに見事一発合格。20年10月にデビューした際は「ジュニアの顔になりたい」と力強く話した。あれからちょうど1年。悲願の初勝利が待っていた。

試合後はリング上で「うおー!」と絶叫。GHCジュニアヘビー級王者のHAYATAに腕を掲げられ、満面の笑みを浮かべた。表情に初々しさを残す21歳が、勝利を積み上げる。