圧倒的な力で勝利をつかみ取る。総合格闘技のRIZIN TRIGGER 1st大会(28日、兵庫・神戸記念ホール)に出場する鈴木千裕(22=クロスポイント吉祥寺)が10日、オンラインで練習を公開し、力強いボディー打ちを披露。

練習後のインタビューで「倒すことに美学を持っている。一発どかんとKOを狙って、僕が一番の試合をする」と宣言した。

今年9月に行われたRIZIN30大会では「瞬殺侍」の異名を取る昇侍(38=トイカツ道場)に、1回20秒KO負けの屈辱を味わわされた。大会後は街中で声をかけられることも増えたが「勝っていないので…」と、思いは複雑だった。それでも「応援してくれる人がいる。このまま落ち込んでいたらプロとしてダメだ」と、2日余りで立ち直った。

「あの練習量では勝てない」と一から見直した。普段のジムワークに午前中・総合、昼・キック、夜・レスリングとバリエーションを加え、練習時間を増やした。「フットワークや打撃、寝技の種類など、全体に注目してもらいたい」と自信をつけた。

対戦相手は、元UFC-Jミドル級王者山本喧一の次男、山本空良(21=パワーオブドリームジム)。「なかなか穴が見つからない。どうしようどうしようと悩んでいる日々ですね」と率直に打ち明ける。だが、弱気は一切ない。生き生きとした表情で「本気で行きます!」と力を込めた。