RIZINバンタム級王者堀口恭司(31=アメリカン・トップチーム)が逆転負けで王座返り咲きに失敗した。

ベラトール同級タイトルマッチ5分5回で、王者セルジオ・ペティス(28=米国)に挑戦したが、4回、バックハンドブローをアゴに浴びて悪夢のKO負けを喫した。区切りの30勝目にも到達できなかった。 試合は堀口のペースだった。カーフキックや右ストレートなどの打撃技、テークダウンも面白いように奪って主導権を握り続けた。しかし4回だった。クリンチからの離れ際、相手右ハイキックは回避したものの、その直後の左バックハンドブローでアゴを打ち抜かれ、そのまま後ろに大の字になって倒れた。KO負け後、堀口は担架で運ばれたが、意識はあったという。

19年11月、右膝前十字靱帯(じんたい)断裂、同半月板損傷で手術を受けた堀口はRIZINとベラトールの両王座を返上。昨年大みそかのRIZINで復帰し、朝倉海を下してRIZIN同級王者に返り咲いた。今度は「(朝倉海に勝って)ケジメをつけてからいきたい」と希望していたベラトール王座の再奪取を狙い、かつコロナ禍での試合機会を求め、今年9月からベラトール定期参戦を決めていた。

堀口の返上した後のベラトール同級王座は移動を続ける。フアン・アーチュレッタ(米国)が20年9月の王座決定戦で王者となった。しかし今年5月、挑戦者ペティスが初防衛戦だったアーチュレッタに判定勝ちし、王座を奪取。プレッシャーをかけ続ける技術、そしてカウンターを得意とする打撃が際立った。兄アンソニーが元UFCライト級王者でもある格闘一家ペティスの底力を、堀口もみせつけられる形となった。