WBC世界バンタム級王者ノニト・ドネア(39=フィリピン)が初防衛、王座統一にも成功した。

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2年前、WBSS決勝で(井上)尚弥と対戦した時よりも、ドネアははるかに強くなっている。39歳にもかかわらず、心技体すべてで2~3割増しで強くなった印象だ。暫定王者ガバリョが左フックを警戒している動きを見極め、ガラリと空いた脇腹を狙った鮮やかな左ボディーは圧巻だった。WBSSが開幕した18年当時、ドネアはバンタム級に戻したばかりでコンディション作りも簡単ではないようにみえた。しかし2年以上が経過し、現在は完全にバンタム級として仕上がっている。表情にも自信があふれているのが分かる。

尚弥が14日の防衛戦を無事にクリアすれば、王座統一戦交渉を開始するが、第1候補がドネアとは限らない。体調不良で防衛戦ができなかったWBO王者カシメロは王座を剥奪されたわけではない。今後の経過を見極め、両にらみで交渉する。ドネアかカシメロ、どちらの王者との統一戦になってもいい準備をしている。(元WBA、WBC世界ミニマム級王者)