三浦孝太が(19=BRAVE)がサッカー界のレジェンドで父であるカズの前で、堂々の勝利を決めた。

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総合格闘技でRIZINデビューすることを後押しし、全力でサポートしてくれたのは父だった。映画「男はつらいよ」をテーマにした入場曲、試合前のアドバイス、すべてがデビュー戦白星につながっていた。

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三浦孝太は、真っ先にリングサイドで観戦していた父、カズの元に向かった。息子の入場から緊張で顔をこわばらせていたキングは、数秒間の抱擁で父の顔に戻った。人生で一番うれしかったという勝利の興奮。三浦には父の声は聞こえなかったが「おめでとう」と、本気で喜んでくれたことが何よりもうれしかった。

一時は、大みそかのデビューを大反対された。誰もが目指す大みそかの夢舞台に、デビュー戦で上がることをよしとされなかった。それでも、何度も話し合いを重ね、熱意を届けた。「チャンスは何回も来るものではない。話をいただいたからには挑戦するのもいい」と、全力で後押ししてくれるようになった。

父の影響で大好きになった映画「男はつらいよ」のテーマ曲を背に、堂々と入場した。「お父さんに『堂々としていろ』と言われていたので平常心を保つことができた」とプレッシャーは一切なかった。激しくぶつかってくる相手にも落ち着いて対処。リングサイドで固唾(かたず)をのんで見守った父の前で、サッカーボールキックを決めた。

父の話になると、いつも表情を緩めて話す姿が印象的だ。父から借りたえんじのスーツで、記者会見に臨んだこともあった。父の影響で寅さんが好きになったことを、包み隠さずに話した。「サッカー選手としても、父としても一番尊敬しています」。三浦が話す「お父さん」という言葉には、たくさんの愛が詰まっている。

幼い時は「カズの息子」として見られることに、不快な経験をすることもあった。それでも、今の自分があるのは、父のおかげだと言い切る。「小さい時は両親を悲しませることや、迷惑をかけることも多かった。見捨てずにデビュー戦を見に来てくれた。感謝の言葉しか思い浮かばない」と晴れ晴れと話した。19歳のキング伝説が幕を開けた。【勝部晃多】

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