階級を越えた王者対決は、IWGP世界ヘビー級王者に軍配が上がった。

オカダ・カズチカ(34)が1回戦を突破した。メインイベントで同ジュニアヘビー級王者のエル・デスペラードと対戦。序盤から「おいこら!」「立てよ!」などと大声が飛び交う、気迫あふれる一戦になった。かねて「俺の相手にふさわしいのはデスペラードだ」と好敵手との対戦を希望していたオカダは、気合の入りようが違った。マネークリップにより失神寸前のデスペラードからあえて手を解くなど、ジュニアの覚悟を試すかのような場面もあった。

ヘビー級の意地を見せた。最後は26分21秒、オカダが3度目のレインメーカー(短距離式ラリアット)を決めて3カウントを奪取。「強いし格好いいし、最高です」とデスペラードの実力を認めつつ「そんなもんじゃないでしょ? ジュニアでも佐山さんやライガーさんのように歴史をつくることは可能です」と、新日ジュニアのさらなる奮起を促した。

もちろん、記念イヤーを背負う覚悟ある発言も忘れない。「チャンピオンの俺が優勝しないと盛り上がらないでしょ。俺が優勝します!」と、3度目の大会制覇を高々と宣言した。

団体創設50周年の今年のNJCは、史上最多の48人が参戦(うち2人は不戦敗)。通例では出場しないヘビー級王者やヤングライオン3選手が出場するほか、2年ぶりにジュニア選手もエントリー。記念イヤーにふさわしい特別な興行で、50周年の顔、オカダが新日本の「ワクワクする戦い」を見せつけていく。【勝部晃多】