ボクシングWBA世界ミドル級スーパー王者村田諒太(36=帝拳)が4月9日、さいたまスーパーアリーナでIBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(39=カザフスタン)との王座統一戦に臨むことが3日、発表された。コロナ禍で昨年末から延期となった国内最大規模のビッグマッチが約4カ月を経て再びセットされた。同日に都内で会見した村田は、対戦を待ってくれた世界屈指の人気スターに感謝。精神的落胆の回復と、強豪撃破のプランが完成したと明かした。

米国で人気カードに臨める世界的スターが自身のために約4カ月間、対戦を待ってくれた気持ちは、村田の胸に刻まれた。プロ転向から将来的な対戦を希望してきたゴロフキンに向け「ここまで待って試合してくれる。常に目標でいてくれたゴロフキンと試合できるのは感謝しかない」。長く世界ミドル級の頂点に君臨してきた最強の男と拳を交える意味をかみしめた。

昨年12月、新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」の水際対策で新規外国人の新規入国が原則禁止となり、ゴロフキン戦の延期が発表された。3月から入国制限が緩和され、ついに実現する注目の一戦。1月中旬に4月開催が設定されたが、村田は「モチベーションは一定ではなかった。気落ちした時もありました。これ以上、先になっていたらしんどい。ボクがもたなかった」と振り返る。

仕切り直しの日程が発表され「ものすごく良い状態になりました。延期した期間が自分を高めてくれた。ネガティブにとらえていない」と前向きそのもの。当初設定された昨年12月29日開催だった場合は実戦練習が足りなかったという事実を明かし「今はすごく調子というか成熟度が良い状態。展開はボクが詰めていくと思う。ファイトプランはある」と自信の笑み。内容は伏せたが、ゴロフキン攻略の手応えは十分ある。

2月下旬、ゴロフキンが9月17日、階級を超越した最強王者とも言われる4団体統一スーパーミドル級王者サウル・アルバレス(メキシコ)との3度目対決に臨むと米メディアに報じられた。世界的知名度を誇る両者の対決報道を受け、村田-ゴロフキン戦の注目度は世界的にも一気にアップ。総費用20億円以上という国内最大規模の大舞台へ、村田は「最高のパフォーマンスができるようにしたい」。対戦を待ってくれたゴロフキンに勝利で「恩返し」する。【藤中栄二】

★IBF世界ミドル級王者ゴロフキン 日本から統一戦のために尽力し、サポートしてくれる組織に感謝したい。村田は素晴らしい王者。また日本でリングに戻り「ビッグ・ドラマ・ショー」に持っていくことを楽しみにしている。