WBO世界フライ級王者中谷潤人(24=M.T)が2度目の防衛に成功した。同級2位の山内涼太(27=角海老宝石)に8回2分20秒TKO勝ち。ジャッジもフルマークの圧倒的な試合運びでベルトを守った。
「セコンドの指示通り、ペース配分しながら自分の流れに持ち込めた。くっついても離れても、試しながらですごく収穫があった」
フライ級では170センチと長身。その体格差を生かしたボクシングで、いきなり主導権を握った。パンチが伸びる。1回に左ストレートを見舞うと、山内の膝が折れた。続く2回も右フックで体勢を崩した。相手に攻め時を与えず、最後は8回。連打で足が止まった山内をレフェリーが抱きかかえ、試合を止めた。
着実に成長を続けている。昨年9月、初防衛戦は米国で、1位挑戦者アンヘル・アコスタ(プエルトリコ)との指名試合だった。厳しい戦いが予想されたが、中谷は終始圧倒して4回32秒TKO勝ちを飾った。フライ級では破格のパンチ力を世界に示した。
試合後は厳しい減量を明かし、「決定ではない」としながら、スーパーフライ級へ階級を上げることを示唆した。WBOの同級王者井岡一翔(志成)を筆頭に「1個上の階級はタレントぞろい。どの選手と対戦しても、気持ちが上がる」と前向きに言った。
2階級制覇への布石も打っている。フライ級では長身で「長い距離で戦える」と中谷もメリットを語るが階級を上げれば未知数。この日は、あえて接近戦を挑み練習を積んだアッパーを多用した。「近い距離でも戦える」手ごたえを得た。
順調にステップを重ね、戦績を23勝(18KO)無敗に伸ばした。「ネクスト・モンスター」とも呼ばれる。「パウンドフォーパウンド(体重差は関係なく最強の称号)に入っていける選手になりたい」。夢がまた広がった。【実藤健一】

