反骨集団「金剛」のリーダー拳王が、新日本プロレスに流出していたGHCヘビー級王座奪回に成功した。

メインイベントで新日本の小島聡(51)を破り、約4年4カ月ぶり2度目の同級王座戴冠。夢だった日本武道館のメインイベントでマイクアピールを果たし、ノア復権を宣言した。

逆境をはねのけた。史上4人目となる主要3団体シングル王座制覇のグランドスラムを達成し、勢いに乗る51歳に、序盤から劣勢を強いられた。あわやリングアウト負けになるかというところを、対戦相手にリングへ引き戻される屈辱も受けた。

それでも、負けるわけにはいかなかった。試合前には「(小島は)賞味期限は切れている」と散々ののしり、自らの退路を断った。ラリアットを受けても倒れない根性を発揮。最後は、PFSからのムーンサルトダブルニードロップ。大技の連打で武道館を舞った。

28分17秒の決着。掲げたベルトは上下逆さまだったのが、興奮を物語っていた。「めちゃくちゃ勉強するところもあった。学ぶところがあった。そして少しだけは楽しかったよ。小島聡。どうもありがとな」と、相手への敬意と感謝も忘れなかった。

ノアのトップに返り咲いた男が狙うのは、プロレス界のトップだ。夢だった日本武道館のメインで放った言葉は「満足していない」という言葉だった。昨年の上半期は、58歳だった武藤敬司が、今年の2カ月間は、51歳の藤田和之が保持した同級王座。小島も51歳だ。「俺もノアも発展途上。日本一の景色を俺が見せてやる。この俺についてこい!」と、言い切った新王者拳王。今度こそ、トップランカーとして新時代を築く時だ。