元2階級制覇王者で、WBA世界スーパーバンタム級2位の亀田和毅(31=TRYBOX平成西山)が、4回2分35秒KOでジム移籍初戦を飾った。

12年ロンドン五輪代表で、元WBCラテンアメリカスーパーバンタム級王者のウィリアム・エンカーナシオン(34=ドミニカ共和国)と対戦。19勝15KOと強打を誇る右ボクサーファイターを開始から高速の左ジャブで圧倒。3回に左ボディーで最初のダウンを奪い、ラウンド終了間際にも連打で2度目のダウン。そして4回、左ボディーで試合を終わらせた。

和毅は戦績を39勝(21KO)3敗とした。試合後はリング上で長男の望有(のあ)くん(2)を抱き上げて家族と喜びを分かち合った。「一番最初のやつ(ダウン)が手応えあった。キャリアあるんでクリンチしたりしてきたので、そのあたりが勉強になった」と話した。

リングサイドからは同年代で親交のある横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が見守った。相撲好きの和毅が伊勢ケ浜部屋へ通い、縁が生まれたという。約8年前からの付き合いで、柔道で五輪2連覇の大野将平と「同世代トリオ」でよく食事に行く仲という。

和毅は「今は自分だけチャンピオンじゃないんで。ものすごく刺激になります」。競技が違えど頂点を極めた2人のエネルギーを得て、再び世界王者を目指す。【実藤健一】