ワールド・オブ・スターダム王者の朱里(33)が5スターGP連覇に望みをつないだ。中野たむとの壮絶な打ち合いを制し、残り7秒でTKO勝ち。王者の貫禄を見せつけた。

7月に同タイトル防衛戦で勝利して以来の対戦となったが「すごく刺激をもらっている」という相手から終了間際に貴重な勝ち点2をもぎ取った。

序盤は優位に攻め続けたが、残り5分を切り、中野の逆襲を受けた。バイオレット・スクリュー・ドライバーをもろに受けたが、何とか切り返し、絞め技に持ち込んだ。「もっともっと追い詰めてこいよ」。7月の対戦時から中野のことが頭から離れなくなったという朱里は「もっと試合してえよ。次楽しみにしてる」と自ら再戦を熱望した。

史上初の連覇へ進み続ける。朱里の勝利で、レッドスターズは勝ち点14で4人が並ぶ大混戦。「ちょっとでも可能性があるなら絶対に諦めない」と力強い。昨年から特にスタイルを変えたわけではないが、12月に林下詩美のV10を阻止し「ワールド-」王者に輝いたことで「自信」を手に入れ、「成長」を感じるようになった。同ベルトは現在8回防衛中と強さを見せつける。

20年9月に亡くなった母へ、今年も手を合わせた。「人生悔いなく生きることを誓った。明日死んでもいいと思うくらい、毎日一生懸命生きている」。王者の名に恥じぬよう、ラスト1戦、悔いのない戦いで終える。【松熊洋介】