フューチャー・オブ・スターダム選手権王者の羽南(18)が飯田沙耶(25)に勝利した。

開幕から10連敗していたが、前日に続き、2連勝でリーグ戦を締めた。

苦しい夏を送っていた。ベルトを10回防衛中のフューチャー王者(20歳以下、またはキャリア3年未満対象)として挑んだ初出場の5スターGP。同ユニットのアイコン・岩谷麻優や葉月、ジュリアや現ワンダー・オブ・スターダム王者の上谷沙弥など実力者たちに挑んだが、8人と初対戦ということもあり、開幕10連敗。3カウントまであと少しの試合もあったが、勝利は遠かった。

「チャンピオンなのに。情けない」。徐々に焦りは大きくなっていった。負けて自信も失い「今の自分じゃ真っ正面からぶつかってもダメなんだなって」と下を向いた。転機となったのは10連敗目となった23日の鈴季すず戦。「隙をつくしかない」入場と同時に奇襲を仕掛けた。敗れはしたが、自分の考えに変化が生まれ、次戦の白川未奈戦での初白星につながった。「私にも勝てるんだって自信がついた」。初めての大会は2勝10敗。それでも「最高の夏だった」と振り返る。すべてが経験したことのない濃い時間だった。

試合のために栃木から通い続ける“JKファイター”。高校生活は残り半年となった。「めっちゃ楽しい。みんないい友達だし」。リングを降りれば、18歳の優しい女子高生に戻る。目標は「伝説に残るプロレスラー」。そのための1歩として最多防衛記録10回をまだまだ更新していくつもりだ。挫折を味わい、さらに強くなったフューチャー王者が、スターダムにどんな未来を見せてくれるのか、注目だ。