元プロレスラーで参議院議員も務めたアントニオ猪木さん(本名・猪木寛至)が1日午前7時40分、心不全で死去した。79歳だった。

都内にある猪木さんの自宅前で取材に応じた実弟の猪木啓介さん(74)は、「自分もなんと答えればいいのかわからないような。びっくりしているところです」と神妙な面持ちで話した。最後に対面したのは前夜で、「部屋に来い」と誘われたという。「何か話をするのかなと思ったんですが、口は動いていたんですけど、何を言っているのかはわからなかったです」。2人きりで40分ほど過ごしたという。

翌朝に猪木さんが息を引き取った。「苦しんで死んだわけじゃないですから。昨日からそのままずっと朝まで寝ていましたので。苦しまずに逝ったかなと思います」と話した。

報道陣から「どんな兄だったか」と尋ねられると、目の奥に涙をたたえて「素晴らしい兄貴だった。兄弟ですから文句もありますけれど、自分自身もいろいろなことを勉強させてもらった」と回顧した。続けて「兄貴には本当に感謝しています」と実感を込めていた。

○…猪木さんが顧問を務めるIGF(猪木元気工場)は故人の遺志で、通夜と葬儀は家族葬で行うと発表した。IGFは「関係者の皆さまと相談の上、『お別れの会』は後日、執り行う予定でございます」とした。