スーパーフライ級を1回1分53秒TKOで制した佐野遥渉(19=平石)が、MVPを獲得した。「MVPを取る気で頑張ってきた。うれしいです」とまだ幼さが残る表情をほころばせた。

静岡からの長距離遠征を最高の形で実らせた。飛龍高で全国高校選抜のライトフライ級で3位の実績がある。そして地元のジムから世界を夢見る。

この日も応援に駆けつけた父の一雄さん(60)も元プロボクサーだった。角海老宝石ジムで6戦全勝の快進撃も、不運に見舞われた。自身のパンチに耐えられなかった拳が粉々に砕け、引退せざるをえなかったという。父があきらめた夢も背負う。「喜んでくれていました」と笑った。

この勢いで後楽園ホールに乗り込む。「決勝でも自分のボクシングを貫きたい。新人王をとったら日本ランカー。頑張ってとりたいです」と意気込んだ。