重量級のプロボクサー5人が誕生した。5月19日、東京・後楽園ホールで開催されるスーパーミドル級、ライトヘビー級、クルーザー級、ヘビー級の4階級を対象としたトーナメントに出場意欲を持つ重量級5選手がC級(4回戦)を受験。最重量級となる体重132キロの元柔道家・中定大輔(35=カシミ)を筆頭に、102キロの内田博人(34=宇都宮金田)、99キロのプロレス団体の元練習生・イヘグロ慶(30=渡嘉敷)、99キロの斉藤勇輝(26=EBISU K.s BOX)、90キロの菊地康二朗(25=セレス)が即日合格した。

ボクシング歴約3年の中定は規格外の体格でヘッドギアやファウルカップが合わずに苦戦しつつも、内田と何とか3ラウンドのスパーリングを消化し、晴れてプロボクサーに。「相手の方が上手でしたが、頑張りたい。もっと練習し、(トーナメントでは)シャープにやりたい」と貪欲な姿勢をみせた。

また父がナイジェリア人、母が日本人というイヘグロは全日本プロレスや武藤敬司が率いた旧WRESTLE-1に在籍し、練習生だったという。アマチュアでムエタイにも出場し、格闘技経験は豊富。渡嘉敷ジムで約2年ほど本格的にボクシングを学び、トーナメント出場も「面白いなと思います。日本ではヘビー級でやっていけたら」と検討している。

現在、スーパーミドル級からヘビー級までの重量級4階級のランキングには、日本ヘビー級王者但馬ミツロ(28=KWORLD3)、スーパーミドル級1位野中悠樹(45=渥美)の2人しかいない。重量級ボクサーの育成が急務となっている。プロテストを見守った東日本ボクシング協会の重量級担当、ヘビー級委員会の瀬端幸男委員長は「良い意味でびっくりした。すばらしい動きだった」と5選手の潜在能力を高く評価。また重量級トーナメントには、賞金や協会認定王者の称号を検討しており、瀬端委員長は「来月もプロテストを考えている。他格闘技の選手にも興味を持ってもらえれば」と口にした。