プロボクシング前4団体統一バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が、元世界3階級制覇王者長谷川穂積氏(42)との“夢対決”に「最高に楽しい」と胸を躍らせた。

24日、東京・後楽園ホールで開催されたWOWOWイベント、エキサイトマッチ・ファン感謝祭2023の中で両者によるマスボクシング(軽めのスパーリング)が実現した。

グローブを直接当てるわけではないものの、サウスポースタイルからワンツーを打つ長谷川氏に対し、井上はジャブから右ストレートで応戦。両者同時にストレートを放つ緊張感あふれる新旧の世界3階級制覇王者対決となった。

1分1ラウンドで常に真剣な表情だった長谷川氏から「笑ったら殴られそうだったから」と言われ、笑顔の井上は「想像した通り、やっぱり距離感かむずい(=難しい)ですよ」と、上の世代で活躍した長谷川氏の動きを絶賛した。

イベント後、取材に応じた井上は「(長谷川とのスパーリングは)最高に楽しかった。1分間が長かった。(引退後の)今であの動き、感覚的なものがあるというのが…。今は自分が現役で、長谷川さんの現役の時を考えるとぞっとしますよ。もうちょっと長くやりたかった。長谷川さんのスタミナが削れてきて、それを楽しんでやっちゃう感じでした。またやりたいですね」と満喫した様子だった。

バンタム級の世界王者では長谷川だけでなく、元WBC世界バンタム級王者山中慎介氏(40)もいる。井上は「先輩と楽しくこういうイベントできる。良い日になったなと。階級の近い先輩たちとこういう先輩と交流するのは普段ないので、楽しいです」と歓迎していた。