ボクシング前4団体統一バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が、挑戦決定秒読みの2団体統一スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(28=米国)を意識した異例の3日連続スパーリングを打ち上げた。24日、横浜市の所属ジムで元3団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の練習パートナーを務めてきたプロ10勝(4KO)無敗のホープ、ジャフェスリー・ラミド(23=米国)と7回のスパーリングを消化した。

22日に4回、23日に6回と3日間で計17回、拳を交えた。19年9月に練習相手として呼んでいたアマ出身の技巧派との実戦トレは充実した様子。現在、WBC、WBO世界スーパーバンタム級1位に入る井上は5月開催を目標にフルトン戦の交渉が進む。フルトンと同じ右構えのラミドとの実戦トレ打ち上げに、井上は「背とリーチとスタイルが似ている。それが1番の収穫。ここまで似ている選手はいないと思う。本当に3日間、自分の中で自信が高まったのかなと思います」と手応えを示した。

昨年末からフルトンの映像を3~4試合ほどチェック。攻略の糸口を探りながらラミドとスパーリングした井上は「(フルトンは)リーチも長く、ボクシングが確立されている。そこに自分のボクシングをどう組み込むか。何となくイメージ、こういう感じの突破口がいいかな、とやることができている」と手応え十分の笑顔をみせていた。【藤中栄二】