21日の東京ドーム大会で現役引退したプロレスラー、武藤敬司さん(60)の愛車は白のベンツS400ハイブリッドだった。

毎週土曜よる9時放送のBS日テレの人気馬組「おぎやはぎの愛車遍歴 NO CAR,NO LIFE!」の25日(土)放送回に武藤さんが登場した。

武藤さんは現在の愛車、白のベンツに乗って登場。MCのおぎやはぎの小木博明から「最高の引退試合でしたね」と労をねぎらわれた。しかし、武藤さんは「俺、どうやって答えたらいいか分からない…」と困惑。それもそのはずで、収録日は引退試合が行われた21日以前だった。矢作兼から「テレビは順番がいろいろあるんでね」と優しく解説される場面もあった。

現役時代はトップロープから宙返りし、相手の上に落下するムーンサルトプレスが得意技だった。華麗だが、危険すぎる技の代償から、長らく両膝を負傷。そのため、選ぶ車は車高が低くて乗りやすいタイプだという。「家から30メートルくらいのコンビニも車で行く」と笑顔を見せた。

28歳で初めて購入したのは赤の日産フェアレディZ。新日本プロレスの同期で、引退試合でもサプライズで戦った蝶野正洋は同じ車種の黒に乗っていた。そのフェアレディZ時代に現在の久恵夫人とも結婚したという。その後はずっとベンツを乗り継いできたが、2000年、家族で渡米したときに乗ったのはキャデラック・セビルだった。

レスラー人生を語る上で欠かせないのが、新日本プロレスの創設者で、昨年10月に死去したアントニオ猪木さんの存在。新日本離脱した2002年以降、疎遠になっていたが、ある出来事をきっかけに再会した。それは自らプロデュースした大会で、2020年2月に、東京・後楽園ホールで行ったプロレスリング・マスターズ。そこに猪木さんも駆けつけ、人生で最初で最後の闘魂注入のビンタをもらった。

引退試合のあった2月21日は、猪木さんの誕生日の翌日だった。生きていれば80歳。武藤さんは当初、猪木さんにも引退試合の登場をお願いしようと思っていた。関係者から武藤さんの思いを伝え聞いた猪木さんは「80歳になって最初の仕事は武藤の仕事か」と話していたという。それを知った武藤さんは思わず「うるっときました」と打ち明けた。

最後に車について「すごく依存してる。足が悪いからドアトゥードアの生活が必要。必需品」と話した。