プロボクシング前4団体統一バンタム級王者の井上尚弥(29=大橋)が拳を負傷し、5月7日に横浜アリーナで予定されていたWBC、WBO世界スーパーバンタム級統一王者スティーブン・フルトン(28=米国)への挑戦が延期になったことが22日、正式発表された。

所属ジムの大橋秀行会長(58)が同日、横浜市の大橋ジムで記者会見。回復まで約1カ月間という井上の拳負傷の状況、7月の首都圏開催にスライドするというフルトン戦延期の経緯を明かした。過去に井上が負った主な負傷は次の通り。

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◆右拳脱臼 14年12月、WBO世界スーパーフライ級王者オマール・ナルバエス(アルゼンチン)を2回KOで下した際に右拳を痛め、15年4月に予定していた初防衛戦が延期に。同年3月に拳脱臼と判明し手術を受けた。

◆腰痛 16年9月、WBO世界スーパーフライ級王者として3度目防衛戦だったペッチバンボーン・ゴーキャットジム(タイ)戦では試合2~3週間前に痛めた腰の影響、さらに右拳の不調も加わりながら10回TKO勝ち。以後、トレーニングなどで腰痛対策を継続している。

◆右目眼窩(がんか)底骨折 19年11月、階級最強を決めるトーナメントとなるワールド・ボクシング・スーパーシリーズのバンタム級決勝だったノニト・ドネア(フィリピン)戦で左フックを顔面に浴びて同部を骨折しながら12回判定勝ち。手術せずに保存治療で完治させた。

◆左肩関節炎 22年6月のドネアとの同級3団体(WBAスーパー、WBC、IBF)王座統一戦の1カ月前、左肩痛に見舞われ、医師から関節炎と診断。痛み止めの注射を打ってドネアを2回TKO撃破。同年9月、約2週間にわたる米ロサンゼルス合宿の頃に回復した。