その男の名は、さまざまある。「キングカズの次男」、「レジェンドの息子」、「父は三浦知良」。必ずと言っていいほど、枕詞(まくらことば)が、やって来る。格闘家・三浦孝太(20=Brave)は、サッカー元日本代表FW三浦知良(56)を父に持つ。この世に生を授かりし時から、変えることの出来ない「モノ」と戦ってきた。生まれながらにして、言われ続けてきた“違う名”。孝太は自身の名を知らしめるべく、YA-MAN(26=TARGET SHIBUYA)との負けられない戦いに挑む。

孝太 みんな俺が負けると思っているし。世の中に対しても、見とけよって思う。みんなからしたら、親の名前が先行していると思うし、(YA-MANは)格闘技一本で成り上がって。俺にでも、見せられるものがあるよというのを証明したい。

もちろん、父の偉大さは分かっている。父があって、今の自分があることも分かっている。21年大みそかの「RIZIN.33」でデビュー。「自然と出た」というサッカーボールキックで、元ホストYUSHIから1回TKO勝ちを奪ったが、悩みは尽きなかった。「急に名前が世に出て、急にいろんな人に見られるようになって、どうしていくべきかいろいろ考えることが多かった」。当時は10代。素直な思いだった。「急に世に名前が出たことによって、自分の中で勝手にプレッシャーを感じてしまっていた部分があった。練習に行くにしても『練習しなきゃいけないんだ』というふうに感じている時があった」。

分かっていても、常に、まとわり続ける枕詞。雑音を排すべく、SNSは避けてきた。自身のインスタグラムはあるが、応援のメッセージ以外は目にすることはない。Twitterに関しては、アプリすら入れていない。「自分は理解されなくてもいいから、かっこいい選択をしたいと思っていて。SNSを開いて、自分と直接関わってもない人の意見を見ることで、その意見が頭の中で引っかかってしまう。リアルに関わっている人というのは、会話で必要なことを教えてくれると思う」。自分は自分だ。

父は、応援に来られない。ポルトガル2部のオリベイレンセへ期限付き移籍中。会場には、母りさ子さんらが駆けつける予定。ただ、もう1人の“お父さん”が近くにいてくれる。昨年8月にタイで行われたエキシビションマッチで拳を合わせた、元K-1 MAX世界王者のブアカーオ・バンチャメーク(40)。同マッチ後、タイを訪れることがあり、親交を深めてきた。孝太が「タイのお父さん」と信頼を寄せるレジェンドも、今大会に出場する。「2人で必ず勝ちたい」と燃えている。

タイのレジェンドと試合をしたことで、孝太の知名度は同国内で急上昇。その甘いマスクに、とりこになる女性ファンも多く存在する。その人気はタイのみならず、カンボジアにまで広がる。

そこでは「三浦知良の次男」ではなく「孝太」だ。もう「~の」はいらない。三浦孝太が、格闘界のキングへと上り詰める。

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