RIZIN初参戦の元K-1 WORLD GPスーパーライト級王者・安保瑠輝也(27)は、元K-1 WORLD MAX世界王者のブアカーオ・バンチャメーク(40=タイ)と引き分けた。
1回に安保が左フックからの連打で先制攻撃を仕掛けたが、278戦目の歴戦のブアカーオもすぐにキックを軸にプレッシャーをかけてきた。2、3回以降は前に出るブアカーオに対して、安保が下がりながらパンチを繰り出す展開で、最後までお互い決定打を決めることができず、3人のジャッジが引き分けとした。
試合後、2人の表情は対照的だった。「本当に情けない。結果はドローですけど、自分に負けていると思っている。ブアカーオはとことん前に出てくる。タフさは異常でした」と安保に笑顔はなかった。一方、ブアカーオは「今日の試合は勝敗よりも全力で戦う姿を見てほしかった。出し切ることができた。気分はすっきりしている。自信がついた」と満足げだった。
安保にとってブアカーオは幼少期のヒーローだった。10歳の時にブアカーオに会うためにタイの奥地にあるブアカーオのジムに父と行ったこともある。セコンドに付いた父の前で、憧れの人と対峙(たいじ)した。あれから17年。「感慨深いものもありますけど、今日は自分の負けだと思っている」と、憧れと拳を交えた喜びよりも、悔しさの方が大きいようだった。
“ムエタイ最強王者”と言われたブアカーオも2日後に41歳を迎える。安保は試合前に「KOで倒せば安保瑠輝也は強いと再確認してもらえると思う。ブアカーオ選手をKOで倒してしまうとなると、それこそ世界から目を向けられると思うので、自分自身それを望んでいますし、僕も世界の舞台で今後戦っていきたいと本気で思っているので」と語っていた。ブアカーオ戦のKO勝利を、世界への弾みにするつもりだったが、まだキャリアも実力も足りなかった。
試合前には総合格闘技について「男同士ゴロゴロやってもつまらない」と大口をたたいた。「(RIZIN)ファンからは口だけという言葉もあった。この結果なので、言われて当然。オレの発言が間違っていました。もっと修業を積んで、心も体も強くなるしかない」と、安保は出直しを誓った。

